Snow in the Dark

一年が終わる。フとした瞬間にあ、もうSMAPはいないのかと、実感する。ほとんど何気ない瞬間に。それは例えばテレビ雑誌を眺めて年始はどの番組を見ようかなんて何となく考えているときだったり。それは例えばいつも通りの時間のいつも通りの場所に在るべき物をいつも通りに目で追うように。それはもう当たり前に。失われたのだと、実感する。僕にとって、今年は喪失の一年だった。4月に母が亡くなり10月に父が亡くなった。二人と...
 31, 2016 15:22    0

空港

飛行機を観たくなって、空港へ向かった。母が亡くなって数日が経ち、粛々と葬儀や役所関係の手続きを済ませ、淡々と日常は戻りつつあった。青々と澄み渡った雲の晴れ間の中で、訥々とした気持ちだけが、取り残された雨上がりの傘のようだった。空港へと続く一直線の道を、鉛色の車で走行しながら、いつだったか自分が書き上げた物語を思い出した。――青い空の中心を、飛行機が、飛び去って往く。 「タイラー、今の見た!?」 ゴール...
 08, 2016 23:35    1

最期

orange に、僕を投影した。当時の僕は20代で、無職で、長髪で、胡散臭くて芸術家になるのだと嘯いて、そのくせ何もしたくなくて誰かに評価されたくなくて、カーテンを閉めた部屋にこもって重ね撮りしたビデオ・テープの映像を眺めながら、誰かを評価していた。orange と名付けたのは、母の影響だった。学校を卒業して、同級生が就職して活躍していくのを横目で眺めながら近所のコンビニでアルバイト求人誌とタバコを買い、放り投げ...
 07, 2016 23:50    3

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